不動産投資の営業電話がしつこい時の断り方|相談前に知るべき注意点

不動産投資 営業 電話 不動産投資

サラリーマン投資家のYAMATOです。

私は宅建士として不動産取引のルールを学びながら、実際に2棟のアパートを所有しています。

突然かかってくる不動産投資の営業電話に、「どうして自分の番号を知っているの?」「断っているのに、なぜ何度もかけてくるの?」と不安を感じていませんか。

勤務先にまで電話をかけられたり、資産形成や年金の話を入口に長時間拘束されたりすると、不動産投資の営業がうざい、怖い、もう電話に出たくないと感じるのは当然です。

知らない番号から着信があるたびに身構えたり、電話を切った後も嫌な気持ちが残ったりすることもありますよね。

営業担当者から「話を聞くだけでいいです」「あなたに損はありません」と言われると、強く断る自分の方が悪いように感じる人もいます。

でも、興味のない商品を断ることは失礼ではありません。

ましてや不動産投資は、数千万円規模の借入を伴うこともある長期的な事業です。電話をかけてきた相手に気を遣い、自分の大切な時間や個人情報を差し出す必要はありません。

ただ、相手に悪い気がして「今は忙しいです」「また考えておきます」と曖昧に答えると、営業側からは見込み客として扱われ、別の日に再び連絡されることがあります。

不動産投資に興味がないのであれば、理由を説明する必要はありません。購入しないことと、今後の勧誘を希望しないことを明確に伝えるのが基本です。

一方で、不動産投資そのものに少し興味がある場合でも、電話口の説明だけで面談や契約を決めるのはおすすめしません。

会社情報、物件資料、融資条件、収支計画を記録に残し、複数の提案を比較してから判断することが大切です。

しつこい営業を断ることと、不動産投資そのものを冷静に検討することは別の話です。あなたが主導権を持ち、自分のペースで判断できる環境を取り戻しましょう。

  • 不動産投資の迷惑電話がかかってくる理由
  • しつこい営業電話を明確に断る言い方
  • 訪問営業や居座りに対する安全な対応
  • 録音方法や行政への相談に必要な記録

この記事を読む際の注意点

この記事は、一般的な不動産投資の勧誘対策と宅建業法上の考え方を整理したものです。

個別の契約が解除できるか、勧誘行為が法律違反や犯罪に該当するかは、契約場所、売主、勧誘内容、当事者間のやり取りなどによって判断が変わります。

また、法律や行政窓口の運用は変更される可能性があります。正確な情報は国土交通省、消費者庁、警察、各都道府県などの公式情報をご確認ください。

すでに契約した場合や金銭的な被害がある場合は、自己判断で業者と交渉を続けず、消費生活センターや弁護士などの専門家へ早めに相談してください。

  1. 不動産投資の電話がしつこい理由
    1. 迷惑電話がかかってくる仕組み
      1. 個人情報の第三者提供にはルールがある
      2. 着信拒否だけでは根本解決しないこともある
    2. 医師や公務員が狙われる理由
      1. 営業会社が狙うのは物件への関心より信用力
      2. 高い年収が赤字物件を支える構造
  2. 不動産投資営業がうざい手口
    1. 即決を迫るセールストーク
      1. 限定感を使って考える時間を奪う
      2. 大量の情報で判断力を鈍らせる
    2. 節税だけを強調する危険性
      1. 減価償却は現金を生み出す仕組みではない
      2. 売却時の税金まで考える
  3. 不動産投資営業の断り方
    1. 曖昧にせず明確に拒否する
      1. 理由を聞かれても答えなくてよい
      2. ガチャ切りより拒否を記録に残す
    2. 再勧誘を止める伝え方
      1. 断る対象を広く伝える
      2. 勤務先へ電話をかけられた場合
      3. 深夜や長時間の電話も記録する
    3. 録音と記録を残すポイント
      1. 録音するときの基本的な考え方
      2. 会話の中で会社を特定する
      3. 拒否後の勧誘を音声に残す
      4. 録音できない場合は直後にメモする
  4. 不動産の訪問営業への対応
    1. 居座る営業は警察へ相談する
      1. 玄関を開けないことが最初の防御
      2. 帰らない場合は明確に退去を求める
      3. 110番と#9110を使い分ける
      4. 勤務先へ訪問された場合
  5. しつこい勧誘の相談先
    1. 消費生活センターと行政窓口
      1. 契約前でも相談してよい
      2. クーリング・オフは契約ごとに確認する
      3. 免許行政庁へ勧誘の事実を伝える
      4. 問題別に相談先を変える
  6. 電話だけで投資判断しない注意点
      1. 会社と担当者の身元を確認する
      2. 表面利回りだけで判断しない
      3. 家賃が下がった場合も計算する
      4. 金利と修繕費を甘く見ない
      5. 出口戦略を購入前に考える
      6. 一社のシミュレーションだけを信じない
    1. 不動産投資の営業電話に関するよくある質問(FAQ)

不動産投資の電話がしつこい理由

不動産投資の営業電話が繰り返される背景には、営業担当者個人の性格だけでなく、見込み客の名簿、融資審査、営業目標、歩合制度などが関係しています。

一人の営業担当者を着信拒否しても、別の番号や別の担当者から電話が来ることがあるのは、会社単位で見込み客の情報が管理されている可能性があるからです。

「嫌がっているのに、どうして電話を続けるのだろう」と感じますよね。

営業側から見ると、電話をかける費用に比べて、投資用マンションなどを1件販売できたときの売上が大きいため、多数の人に電話をかけ、その中からわずかな反応を得る方法が成り立ってしまいます。

まずは、不動産投資の迷惑電話がなぜ自分にかかってくるのか、その仕組みから整理していきましょう。

迷惑電話がかかってくる仕組み

不動産投資会社に資料請求をした覚えがなくても、営業電話がかかってくることはあります。

原因の一つとして考えられるのが、過去に利用したサービス、アンケート、キャンペーン、セミナー、名刺交換などを通じて登録された個人情報です。

例えば、懸賞への応募、資産運用に関する資料請求、転職サービスへの登録、経営者向けの交流会、住宅や保険に関するアンケートなど、本人が不動産投資とは直接関係ないと思っている場面で情報を登録している場合があります。

その後、利用規約やプライバシーポリシーに記載された範囲で、氏名、電話番号、年代、勤務先などの情報が提携先に提供されることもあります。

また、名簿を取り扱う事業者から営業用のリストを取得し、電話をかけている会社も考えられます。

営業用のリストには、単なる電話番号だけでなく、勤務先、職種、役職、年齢、推定年収などがひも付いていることがあります。

電話の相手が、こちらから話していない勤務先や職業を知っていたら、かなり不気味ですよね。

ただし、相手が一部の情報を知っているからといって、住所、家族構成、預貯金、借入状況まで把握しているとは限りません。

営業担当者は、最初に知っている情報を少し見せることで、「この会社は自分のことを詳しく知っている」と思わせ、会話の中から追加情報を聞き出そうとする場合があります。

電話口で追加の個人情報を渡さない

勤務年数、年収、預貯金、住宅ローン残高、家族構成、所有不動産、現在利用している金融機関などは、融資の見込みを判断するために使われる重要な情報です。

興味がない段階で答える必要はありません。「個人情報には回答しません」と伝え、会話を終えてください。

個人情報の第三者提供にはルールがある

第三者から入手した名簿であれば、何でも自由に利用してよいわけではありません。

個人情報を取り扱う事業者には、利用目的の特定、適正な取得、安全管理、第三者提供に関する確認や記録など、個人情報保護法に沿った対応が求められます。

一定の条件を満たしたオプトアウト方式による第三者提供という仕組みもありますが、事業者名、提供する情報の項目、本人からの停止請求を受け付ける方法などを、本人が確認できる状態にしておく必要があります。

オプトアウト方式による第三者提供や、個人データを受け取る事業者に求められる確認・記録の考え方は、個人情報保護委員会の公式ガイドラインでも確認できます。(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(第三者提供時の確認・記録義務編)」)

ただ、消費者側からすると、自分の情報がどこからどこへ渡ったのかを追いかけるのは簡単ではありません。

一社へ削除を依頼しても、すでに別の会社が同じ情報を保有していれば、別会社から電話がかかってくる可能性は残ります。

そのため、現実的な対応としては、営業会社への勧誘拒否、個人情報の取得元の確認、削除や利用停止の申出、端末での着信拒否を組み合わせることになります。

自分の情報をどこで知ったのか確認する

電話をかけてきた会社に対して、次のように確認する方法があります。

「私の氏名、電話番号、勤務先をどこから取得しましたか。取得元と利用目的を教えてください」

「御社が保有している私の個人情報について、利用停止や削除を依頼する窓口を教えてください」

相手が明確に答えない場合は、正式な会社名を確認したうえで、会社の公式サイトに掲載された個人情報相談窓口やプライバシーポリシーも確認しましょう。

着信拒否だけでは根本解決しないこともある

同じ番号から繰り返しかかってくる場合、スマートフォンの着信拒否機能は有効です。

ただし、不動産会社が複数の電話番号を使用している場合や、外部の電話営業会社へ勧誘を委託している場合は、別の番号から再びかかってくる可能性があります。

そこで、着信拒否を設定する前に、できれば会社名と担当者名を確認し、「御社からの勧誘は一切不要です」と明確に伝えておくことが大切です。

拒否を伝えた日時と内容を残しておけば、後日また電話が来たときに、再勧誘を受けた経緯を行政へ説明しやすくなります。

なお、国土交通省は、断ったにもかかわらず電話を続ける行為、長時間電話を切らせない行為、深夜や早朝の勧誘、脅迫めいた発言、自宅へ押しかけて契約を迫る行為などについて注意を呼びかけています。

(出典:国土交通省「投資用マンションについての悪質な勧誘電話等にご注意ください」)

医師や公務員が狙われる理由

不動産投資の営業電話は、医師、公務員、士業、上場企業の社員など、収入が安定していると見られやすい職業に集中する傾向があります。

理由はシンプルです。

不動産会社が見ているのは、必ずしもその人が不動産に詳しいかどうかではなく、金融機関から融資を受けられる可能性があるかという点だからです。

投資用不動産では、物件そのものの収益性に加え、購入者の年収、勤続年数、勤務先、雇用形態、保有資産、既存借入、返済履歴などが融資審査に影響します。

審査基準は金融機関や商品によって異なりますが、継続的な収入が見込まれる人ほど、長期間のローンを返済できる可能性が高いと評価されやすくなります。

そのため、医師、公務員、大手企業の正社員などは、不動産会社から「高額な融資を利用できる可能性がある見込み客」として扱われやすいわけです。

高収入と安定した職業が融資審査に通りやすい属性として不動産投資営業に狙われる仕組み

営業会社が狙うのは物件への関心より信用力

電話営業では、「将来の年金に不安はありませんか」「節税に興味はありませんか」と聞かれることがあります。

しかし、営業会社が本当に確認したいのは、あなたの悩みだけではないかもしれません。

勤務先、勤続年数、年収、住宅ローンの有無などを自然な会話の中で聞き、融資を受けられる可能性を探っていることがあります。

例えば、「会社員として何年くらいお勤めですか」「年収はだいたいどのくらいですか」「ご自宅は持ち家ですか」といった質問です。

雑談のように聞こえますが、不動産投資ローンの見込みを判断するための質問になり得ます。

ここで注意したいのが、融資が通ることと、その物件が良い投資であることは別問題だという点です。

勤務先や年収の評価によって融資を受けられたとしても、購入価格が相場より高い、家賃設定が強気すぎる、管理費や修繕費が少なく見積もられているといった問題があれば、所有後の収支は苦しくなります。

金融機関が審査するのは、融資した資金を回収できる可能性です。

その物件を買ったあなたが、希望する利益を得られるか、将来高く売れるか、老後に十分な収入を残せるかまで保証しているわけではありません。

高い年収が赤字物件を支える構造

物件の家賃収入だけではローン返済や経費を賄えない場合でも、本業の給与から不足分を補える人であれば、返済を続けられる可能性があります。

営業担当者から見ると、この給与補填能力も販売しやすさの一つになります。

つまり、高所得だから優良物件を紹介されるとは限りません。

反対に、多少収支が悪い物件でも、本業収入で赤字を補える人として狙われる可能性があります。

「選ばれた人だけに紹介しています」「あなたの勤務先なら特別な融資が使えます」と言われると、認められたような気持ちになるかもしれません。

でも、それは物件の価値ではなく、あなたの返済能力を評価しているだけかもしれないのです。

YAMATOのワンポイントアドバイス!

私も不動産を所有していますが、銀行がお金を貸してくれることを「買っても大丈夫」という保証だとは考えていません。

金融機関は返済可能性を審査しますが、あなたが思い描く利益まで保証してくれるわけではないからです。

営業電話で「融資が通る方だけへの特別な案内です」と言われても、気持ちを持ち上げられないことが大切ですよ。

見るべきなのは、自分の属性の高さではなく、物件価格、家賃相場、経費、借入条件、出口まで含めた投資の中身です。

勤務先や年収を電話口で詳しく答える義務もありません。

興味がなければ、「個人情報には回答しません。今後の勧誘も不要です」と伝えて問題ありません。

不動産投資営業がうざい手口

不動産投資の営業がうざいと感じる理由は、単に電話の回数が多いからだけではありません。

考える時間を与えず、焦り、不安、将来への心配、税金への不満などを利用して、面談や契約へ進めようとする営業手法そのものが、強いストレスになることがあります。

電話営業では、こちらが資料を見て比較する前に、営業担当者の話す順番で情報が入ってきます。

メリットを先に並べられ、リスクは「管理会社に任せれば大丈夫です」「皆さん問題なく運用しています」と短く済まされることもあります。

冷静に考える時間がないまま話を聞き続けると、本来なら疑問に感じる条件まで受け入れてしまうかもしれません。

即決の強要、情報の洪水、不安の煽りによって冷静な判断力を奪う不動産投資営業の手口

即決を迫るセールストーク

不動産投資は、物件価格、融資、賃貸管理、税金、修繕、保険、入居者対応、将来の売却まで関係する長期的な事業です。

数十分の電話や1回の面談だけで、安全性や収益性を正確に判断できるものではありません。

それにもかかわらず、しつこい営業では「この物件は今日中に決めないとなくなります」「あなたの勤務先だから出せる条件です」「面談だけでも今日予約してください」と急かされることがあります。

本当に条件の良い物件が短期間で売れることはあります。

しかし、急いでいるという理由だけで、収支や契約内容の確認を省略してよいわけではありません。

良い物件を逃す損失よりも、内容を確認しないまま数千万円の契約を結ぶ損失の方が、はるかに大きくなる可能性があります。

限定感を使って考える時間を奪う

「残り1室です」「本日中に申込みが必要です」「この条件は今回だけです」と言われると、人は機会を逃したくない気持ちになります。

不動産は同じものが二つとないため、限定感を作りやすい商品です。

だからこそ、営業担当者の言葉だけでなく、申込み状況、販売開始時期、価格の根拠、周辺の類似物件などを確認する必要があります。

本当にほかの購入希望者がいるとしても、あなたが準備不足なら見送って構いません。

不動産投資では、一つの物件を逃したからといって、投資の機会が永遠になくなるわけではないからです。

大量の情報で判断力を鈍らせる

利回り、レバレッジ、団体信用生命保険、減価償却、損益通算、サブリースなどの言葉を一度に並べられると、初心者は理解が追いつかなくなります。

理解できていないことを悟られたくなくて、つい相づちを打ってしまう人もいるでしょう。

すると営業担当者は、「ご理解いただけましたね」と話を先へ進めます。

分からないことがあるのは恥ずかしいことではありません。

説明を聞いた後に、自分の言葉で仕組みを説明できないのであれば、まだ契約を判断できる段階ではないと考えてください。

こんな言葉が重なったら一度止まりましょう

「絶対に損をしません」「家賃は必ず上がります」「年金代わりになるので安心です」「今日だけの特別条件です」といった説明は、不確実な将来を確実であるかのように感じさせます。

不動産投資には空室、家賃下落、金利上昇、修繕、災害、入居者トラブル、売却価格の下落などのリスクがあります。

良い面だけでなく、悪い条件でも収支が維持できるか確認してください。

宅建業法では、不確実な将来の利益について断定的な判断を提供する行為や、相手を威迫する行為、判断に必要な時間を与えない行為などが問題となります。

また、勧誘に先立って会社名、担当者名、契約の勧誘が目的であることを告げずに話を進める行為も禁止対象とされています。

「年金に関するアンケートです」「税金についての簡単なご案内です」と説明し、不動産販売であることを隠して会話を始めた場合は、会社名、担当者名、勧誘目的を確認してください。

営業担当者が自信を持って話していることと、その説明に客観的な根拠があることは別です。

節税だけを強調する危険性

高所得の会社員や医師、公務員への営業では、「不動産を買えば節税できます」という説明がよく使われます。

税負担が大きい人にとって、節税という言葉は魅力的ですよね。

特に毎月の給与明細を見て、所得税や住民税の負担を重く感じている人ほど、「合法的に税金を取り戻せます」と言われると興味を持ちやすくなります。

不動産所得では、一定の条件を満たす支出や建物の減価償却費などを経費として計上します。

その結果、不動産所得が税務上の赤字となり、給与所得などと損益通算できる場合があります。

ただし、何でも経費になるわけではなく、土地の取得費やローン元金の返済など、原則としてその年の経費にならない支出もあります。

また、土地取得に対応する借入金利子の扱いなど、赤字の場合に損益通算が制限される項目もあります。

節税効果は、物件の構造、築年数、建物価格、借入条件、本人の所得、所有期間、将来の売却などによって大きく変わります。

減価償却は現金を生み出す仕組みではない

減価償却費は、建物などの取得費を一定の年数に分けて経費計上する会計上の仕組みです。

その年に同額の現金が出ていかなくても経費になるため、課税所得を抑える効果が生じる場合があります。

しかし、減価償却費そのものが銀行口座へ振り込まれるわけではありません。

物件を買った時点で建物代金を支払っており、その支出を後から各年へ配分しているに過ぎないとも考えられます。

また、減価償却費は永遠に計上できるものではありません。

年月が経過すると計上できる金額が減ったり、償却期間が終わったりします。

一方で、ローン返済は続き、建物の老朽化による修繕費は増えやすくなります。

帳簿上は利益が出て税金が増えているのに、ローン元金の返済や修繕で手元の現金が少ない状態になることもあります。

売却時の税金まで考える

減価償却を行うと、税務上の建物の取得費は徐々に下がります。

将来売却したときは、売却価格から取得費や譲渡費用などを差し引いて譲渡所得を計算するため、保有中の減価償却が売却時の税負担に影響することがあります。

つまり、保有中に税金が減ったとしても、それだけを見て「得をした」とは言い切れません。

購入時、保有中、売却時を通して、最終的にいくら現金が残るかを見る必要があります。

節税は物件選びの結果として生じることはあっても、赤字物件を買う目的にはなりません。

税金の還付の裏に減価償却終了、修繕費、金利上昇、売却時のローン残高が潜む赤字物件の氷山図

「毎月1万円だけの負担」に注意

営業資料では、家賃収入からローン返済や管理費を引いた毎月の持ち出しが、小さく見せられることがあります。

しかし、その計算に固定資産税、空室、原状回復、設備交換、管理費の値上げ、修繕積立金の増額、金利上昇などが十分に入っているとは限りません。

節税による還付見込みを毎月の利益のように扱っていないかも確認してください。

YAMATOのワンポイントアドバイス!

大家として言うと、税金が減ることより、税引き前の段階で家賃収入から経費と返済を差し引き、現金がきちんと残るかの方が重要です。

「毎月赤字ですが、税金が戻るので実質負担は少ないです」と言われたら、節税効果がなくなった後の収支と、売却時の手残りまで出してもらってください。

節税額は本人の所得やほかの収入、経費の内容によって変わります。営業担当者が示した数字をそのまま信じず、税理士へ確認するのが安心ですよ。

税金に関する最終判断は、物件を販売する営業担当者だけに任せず、物件資料と収支計画を持って税理士に確認してください。

不動産投資営業の断り方

不動産投資の営業を止めるには、相手を納得させるほど詳しい理由を話す必要はありません。

営業担当者は断る理由を聞くと、その理由を解消するための提案を続けます。

お金がないと言えば融資を提案し、時間がないと言えばオンライン面談を提案し、家族に相談すると言えば家族向けの説明を提案するかもしれません。

大切なのは、購入しない意思と、今後の勧誘を受けない意思を、短く明確な言葉で伝えることです。

強い口調で怒鳴る必要はありません。

感情的な議論を避け、事務的に結論だけを伝えれば大丈夫です。

曖昧にせず明確に拒否する

しつこい営業電話に対して、「今は忙しいです」「また機会があれば」「家族に確認します」と答えると、営業担当者からは完全な拒否ではなく、時期を変えれば話を聞いてくれる人だと受け取られる可能性があります。

相手に配慮したつもりの言葉が、次の電話につながってしまうのです。

断るときは、次のように伝えてください。

不動産投資の営業電話を断る基本フレーズ

「不動産投資を購入する意思はありません。御社からの勧誘は一切不要です。今後、電話、訪問、メールを含めて連絡しないでください」

この言い方で大切なのは、「今は買わない」ではなく「購入する意思がない」と伝えていることです。

さらに、「この物件はいらない」だけではなく、「御社からの勧誘は一切不要」と会社単位で拒否しています。

電話、訪問、メールを含めることで、別の連絡手段への切り替えも望んでいないことが伝わります。

本文で紹介した基本フレーズを、失敗する断り方との違いを含めて視覚的に復習できます。

理由を聞かれても答えなくてよい

相手が「理由だけ教えてください」「話を聞いてから判断してください」と続けても、説明に付き合う必要はありません。

「理由はお答えしません。勧誘は不要です。失礼します」と伝えて通話を終了しましょう。

営業担当者によっては、「聞きもしないで断るのはおかしい」「社会人として失礼ではありませんか」と言ってくるかもしれません。

そのような言葉に反論する必要もありません。

あなたには、望んでいない営業電話を聞き続ける義務はないからです。

相手が話し続ける場合は、新しい説明を加えず、同じ内容を繰り返してください。

これは、相手の質問や反論に乗らず、結論を一定に保つ方法です。

繰り返す言葉は一つで大丈夫

「購入する意思はありません。今後の勧誘も不要です」

「先ほどお断りしました。今後の連絡は不要です」

相手が話題を変えても、この言葉に戻してください。

ガチャ切りより拒否を記録に残す

迷惑な電話なので、何も言わずに切りたくなる気持ちは分かります。

身の危険を感じるような暴言や威圧がある場合は、すぐに切って構いません。

ただ、落ち着いて話せる状況なら、切る前に一度だけ明確な拒否を伝えておく方が、その後の相談に役立ちます。

「購入する意思はありません。御社からの今後の勧誘も不要です」と伝えた後、「失礼します」と言って終了します。

そのうえで日時と相手の情報を記録し、着信拒否を設定してください。

相手が感情的になったとしても、議論を続けないことです。

相手を言い負かすことが目的ではなく、勧誘を終わらせ、必要な証拠を残すことが目的です。

事実と異なる説明はおすすめしません

営業を諦めさせるために「無職です」「借金が多くて融資を受けられません」などと、事実と異なる情報を話す方法が紹介されることもあります。

しかし、余計な個人情報を与える必要はありませんし、嘘を重ねる必要もありません。

「購入しません。今後の勧誘も不要です」だけで十分です。

再勧誘を止める伝え方

宅建業法施行規則では、相手が契約を締結しない意思や、勧誘を引き続き受けることを希望しない意思を示したにもかかわらず、勧誘を続ける行為が禁止されています。

拒否の意思は、難しい法律用語を使わなくても伝えられます。

「お断りします」「必要ありません」「関心がありません」「迷惑です」といった言葉でも、状況によって拒否の意思表示になります。

ただし、「今は忙しいです」「今日は話せません」では、将来の連絡まで拒否したことが分かりにくくなります。

繰り返しを止めたい場合は、「今後も勧誘を受ける意思はありません」と伝えてください。

断る対象を広く伝える

拒否した直後に話を続けるだけでなく、同じ宅建業者の別の担当者や、その会社から委託された営業会社が後日改めて勧誘することも、状況によって問題となる可能性があります。

ただし、拒否の範囲は伝え方によって変わります。

断り方 相手に伝わる拒否の範囲 注意点
「この物件は不要です」 現在提案されている物件 別物件なら紹介できると解釈される可能性があります
「投資用マンションは不要です」 投資用マンションの勧誘 一棟アパートなど別種の提案が続く可能性があります
「マンションの勧誘は不要です」 投資用や居住用を含むマンションの勧誘 土地や戸建てなどの営業まで含むかは明確ではありません
「御社からの勧誘は一切不要です」 その会社が行う勧誘全般 電話、訪問、メールも不要と補足するとより明確です

何度も電話を受けている場合は、包括的に拒否するため、次のように伝えると分かりやすいです。

「先ほどもお伝えしたとおり、御社からの勧誘は一切不要です。今後にわたって、電話、訪問、メールその他の方法による営業連絡を希望しません。会社名、担当者名、日時を記録しています」

勤務先へ電話をかけられた場合

勤務先への営業電話は、自分だけでなく、電話を取り次ぐ同僚や受付にも負担をかけます。

相手が会社名や用件を偽り、知人や取引先のように装って取り次ぎを求める場合もあります。

勤務先へ繰り返しかかってくる場合は、自分で断るだけでなく、受付や同僚にも共有しておくと安心です。

「不動産投資の営業電話なので取り次がないでください」「会社名と電話番号、担当者名を記録してください」と伝えておきましょう。

会社に迷惑をかけたくないからと、自分の携帯番号を教えて電話先を変えようとする必要はありません。

新たな連絡先を教えるのではなく、勧誘そのものを拒否してください。

勤務先の業務に支障が出ている場合は、総務や上司、法務担当などにも相談し、会社として対応してもらう方法があります。

深夜や長時間の電話も記録する

電話の時間帯や長さも重要な記録になります。

生活状況や勤務状況によって、迷惑と感じる時間は異なりますが、深夜や早朝の電話、仕事中と伝えた後も続ける電話、長時間切らせない電話は、私生活や業務の平穏を害する勧誘として問題となる可能性があります。

何時に電話が始まり、何時に終わったか、仕事中であることや迷惑であることを伝えたか、その後も勧誘が続いたかを残してください。

法律の条文を完璧に暗記する必要はありません。

まずは拒否の意思を伝え、その日時、会社名、担当者名、電話番号を残すことが先です。

拒否後も連絡が続く場合は、免許行政庁や消費生活センターへ相談しましょう。

録音と記録を残すポイント

行政機関へ相談するときに重要なのは、「しつこくて嫌だった」という感想だけでなく、いつ、誰から、どのような勧誘を受けたかを具体的に説明できることです。

もちろん、不快だったという感覚も大切です。

ただ、行政機関が事業者へ事実確認や指導を行うには、会社と担当者を特定できる情報や、具体的なやり取りが必要になります。

着信履歴だけでも手掛かりになりますが、可能であれば通話内容や会話内容も記録しておきましょう。

録音するときの基本的な考え方

自分が当事者となっている会話を、証拠保全のために録音することは、一般に録音しただけで直ちに違法になるものではないと考えられています。

ただし、録音の方法や利用方法によっては別の問題が生じる可能性があります。

例えば、相手の住居や事務所へ無断で侵入して録音機器を設置する行為は当然許されません。

また、録音データをSNSや動画サイトへ公開し、氏名や声、会社情報を不特定多数へ拡散すると、プライバシー、名誉、業務妨害などを巡る争いになることがあります。

録音は、消費生活センター、免許行政庁、警察、弁護士などに事実を説明するための資料として保管するのが安全です。

個別の録音方法や公開の適法性に不安がある場合は、弁護士へ相談してください。

記録しておきたい内容

勧誘を受けた年月日と時刻、着信した電話番号、正式な会社名、担当者の氏名、会社所在地、宅建業免許番号、提案された物件、断った言葉、拒否後に言われた内容を残します。

勤務先へかかってきた場合は、電話を受けた人の氏名、相手が名乗った用件、取り次ぎを求めた方法も記録してください。

日時、会社名と免許番号、担当者名、着信番号、拒否後の反応を記録する証拠保全のポイント

会話の中で会社を特定する

電話の冒頭で会社名や目的を明らかにしない場合は、次のように確認してください。

「正式な会社名、担当者のお名前、宅建業の免許番号、電話の目的を教えてください」

会社名は、略称やサービス名ではなく、登記上の正式名称を確認する方が安心です。

免許番号がすぐに分からないと言われた場合でも、会社の所在地と公式サイトを聞いておきましょう。

相手が会社名すら答えず、個人情報だけを質問してくる場合は、会話を続けないでください。

「身元と目的を確認できないため対応しません」と伝え、電話を終了します。

拒否後の勧誘を音声に残す

拒否した後も勧誘が続く場合は、次のように問いかけることで状況を記録しやすくなります。

「私は先ほど、御社からの勧誘は不要だと明確にお伝えしました。それでも勧誘を続けるということですか」

「今後の電話や訪問も不要だと伝えました。私の拒否は記録されていますか」

相手が「少し話を聞くだけでいい」「断る理由が分からない」などと続ければ、拒否後も会話を継続した状況が録音に残ります。

ただし、証拠を取るために無理に相手を挑発したり、長時間会話を続けたりする必要はありません。

必要な確認ができたら、「これ以上の勧誘は不要です。失礼します」と伝えて終了してください。

録音できない場合は直後にメモする

スマートフォンの録音機能は、機種、基本ソフト、通信会社、利用する電話アプリの仕様によって異なります。

通話録音に対応していない端末もありますし、録音開始時に相手へ通知される場合もあります。

使用前に端末やアプリの公式マニュアルをご確認ください。

録音できない場合でも、通話終了後すぐに時系列をメモすれば、記憶が薄れる前に状況を残せます。

項目 記録例
日時 2026年7月12日午前10時15分から10時28分
会社・担当者 株式会社〇〇、営業部の〇〇氏
電話番号 着信履歴に表示された番号
勧誘目的 東京都内の投資用マンション販売
拒否した言葉 購入意思はなく今後の勧誘も不要と伝えた
拒否後の発言 理由を説明するまで切れないと言われた
その他 勤務先名を知っていた、強い口調になった

着信履歴、留守番電話、メール、SMS、名刺、封筒、提案書、面談案内、申込書なども削除せずに保管してください。

同じ会社から複数回連絡が来ている場合は、一回ごとに記録を追加すると、繰り返しの状況が分かりやすくなります。

不動産の訪問営業への対応

電話より注意したいのが、自宅や勤務先に直接来る訪問営業です。

電話なら通話を切れますが、玄関前に相手がいると、断ることへの心理的な負担が大きくなります。

「せっかく来てもらったから少しだけ話を聞こう」と考える必要はありません。

事前に約束していない訪問で、相手の身元や目的が分からない場合は、ドアを開けず、インターホン越しに対応してください。

安全を最優先にし、名刺を受け取るため、資料を見るため、電話では説明できないと言われたためといった理由で、家の中へ招き入れてはいけません。

居座る営業は警察へ相談する

訪問してきた営業担当者に対しては、「不動産投資は必要ありません。お帰りください」と明確に伝えます。

電話の場合と同じく、詳しい理由を説明する必要はありません。

「家族が帰るまで待ちます」「説明が終わるまで帰れません」「ここまで来たので話だけ聞いてください」と言われても、退去を求めてください。

玄関を開けないことが最初の防御

インターホン越しであれば、会話を終了した後に施錠された状態を保てます。

一度玄関を開けると、相手がドアの近くへ立ち、閉めにくくなることがあります。

「名刺だけ郵便受けへ入れてください」「資料は不要です。お帰りください」と伝えれば十分です。

宅配便、設備点検、管理会社、役所関係などを名乗る場合も、心当たりがなければ、所属先、氏名、訪問目的をインターホン越しに確認してください。

不審に感じたら、相手が伝えた電話番号ではなく、自分で公式な連絡先を調べて確認します。

帰らない場合は明確に退去を求める

一度断った後も玄関先から動かない、ドアを閉めさせない、大声を出す、威圧する、敷地内に入り込むといった行為があれば、説得しようとせず警察へ連絡してください。

退去を求めたにもかかわらず、正当な理由なく居座る行為は、状況によって刑法上の不退去に該当する可能性があります。

また、ドアに足や荷物を挟んで閉めることを妨げたり、拒否しているのに建物内へ入り込んだりする行為は、住居の平穏を侵害する重大な行為です。

ただし、犯罪が成立するかどうかは、現場の状況や経緯に基づいて警察や司法機関が判断します。

あなたがその場で罪名を確定する必要はありません。

「帰るように伝えたのに退去しない」「ドアを閉めさせない」「怖くて外に出られない」と、起きている事実を警察へ伝えてください。

自分で押し出そうとしない

相手を押したり、荷物を投げたりすると、けがや別のトラブルにつながるおそれがあります。

ドアを施錠し、家族や近隣の人に助けを求め、安全な場所から警察へ連絡してください。

可能であれば、インターホンの録画、玄関カメラ、スマートフォンの録音などで状況を残しましょう。

110番と#9110を使い分ける

110番と#9110の使い分け

相手が現在も玄関前に居座っている、ドアに足や荷物を挟んでいる、脅迫されている、敷地内へ入り込んだ、身の危険を感じるなど、警察官にすぐ来てもらう必要がある場合は110番です。

相手はすでに帰ったものの再訪が不安、過去の訪問営業について警察へ相談しておきたいという緊急性の低い相談は、警察相談専用電話の#9110や最寄りの警察署を利用してください。

警察庁も、事件や事故に関する緊急通報は110番、生活の安全に関する緊急ではない相談は最寄りの警察署または#9110を利用するよう案内しています。(出典:警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」)

警察へ連絡するときは、「不動産の営業です」だけで終わらせず、現在の状況を具体的に伝えてください。

「帰るように伝えましたが、玄関前から退去しません」

「ドアを閉めようとしたところ、足を挟まれました」

「大声で脅されており、身の危険を感じています」

「相手は男性一人で、黒いスーツを着ています。現在も玄関の外にいます」

このように、退去要求をしたこと、相手が現在もいること、どのような危険があるかを伝えると、状況を理解してもらいやすくなります。

勤務先へ訪問された場合

職場へ直接来られた場合は、自分一人で対応せず、受付、警備員、上司、総務担当者へ連絡してください。

職場はあなた個人の判断だけで相手を立ち入らせる場所ではありません。

会社の入館ルールに従い、面会の約束がない営業担当者は取り次がないようにしてもらいましょう。

相手が受付で大声を出す、退去要請に応じない、業務を妨害するといった場合は、会社側から警察へ連絡してもらう方法もあります。

YAMATOのワンポイントアドバイス!

訪問営業に対して、宅建士らしく法律を説明して言い負かす必要はありません。

相手が強引な時ほど、会話の勝ち負けではなく、安全に距離を取ることが最優先です。

帰るように伝えても応じないなら、玄関を開けたまま交渉を続けず、警察へ相談してください。

「警察を呼ぶほどではないかも」と迷うかもしれませんが、身の危険を感じているのはあなたです。現在進行形で危険があるなら、遠慮する場面ではありません。

しつこい勧誘の相談先

自分で明確に断っても勧誘が止まらない場合は、着信拒否だけで終わらせず、公的な窓口へ情報を提供することも検討してください。

しつこい勧誘を受けると、「自分の断り方が弱かったのではないか」「これくらいで相談してよいのだろうか」と考えてしまうことがあります。

でも、相談は業者を直ちに処罰してもらう手続きとは限りません。

まず状況を説明し、何を記録すべきか、どの機関が担当するか、契約を止めるために何をすべきかを確認するだけでも意味があります。

相談先は、契約トラブルなのか、宅建業法上の勧誘違反なのか、税務上の問題なのか、身の危険があるのかによって変わります。

消費生活センターと行政窓口

どこへ相談すればよいか迷った場合は、まず消費者ホットラインの188へ連絡する方法があります。

188に電話すると、原則として居住地を管轄する消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらえます。

相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料金がかかる場合があります。

電話会社の定額通話の対象外となる可能性もあるため、地域の消費生活センターの直通番号が分かる場合は、直接連絡する方法もあります。

営業電話を受けただけの段階でも相談できます。

すでに面談を予約した、申込書に記入した、手付金を支払った、ローン審査を申し込んだ、契約してしまったという場合は、できるだけ早く連絡してください。

(出典:消費者庁「消費者ホットライン」)

契約前でも相談してよい

消費生活センターは、契約後の被害だけを相談する場所ではありません。

「営業担当者に自宅へ来ると言われている」「申込書に名前を書いたが契約か分からない」「断ったのに勤務先へ電話が続いている」といった段階でも相談できます。

早い段階で相談すれば、相手へどのように伝えるべきか、今後どの書類に署名しない方がよいか、証拠として何を残すべきかといった助言を受けられる可能性があります。

電話をする前に、時系列を簡単に整理しておくと話が伝わりやすくなります。

相談前に用意するもの

会社名、担当者名、電話番号、勧誘を受けた日時、提案物件、断った内容、相手の発言、録音、メール、SMS、名刺、パンフレット、申込書、契約書、重要事項説明書、支払記録などです。

すべてそろっていなくても相談できます。手元にあるものから準備してください。

クーリング・オフは契約ごとに確認する

不動産のクーリング・オフは、どの契約でも一律に適用されるわけではありません。

宅建業者が自ら売主となり、事務所など以外の場所で申込みや契約をした場合など、一定の条件を満たせば、宅建業法上のクーリング・オフが認められる可能性があります。

一般的には、クーリング・オフができる旨を告げる書面を受け取った日から8日間が一つの基準になります。

ただし、買主が自ら希望して自宅や勤務先を契約場所として申し出た場合、物件の引渡しを受けて代金を全額支払った場合など、対象外になる可能性があります。

オンラインで重要事項説明や契約を行った場合も、誰がその方法や場所を希望したかなどにより判断が変わることがあります。

「8日を過ぎたから絶対に何もできない」「自宅で契約したから必ず解除できる」と自己判断しないでください。

説明内容、契約場所、売主、勧誘方法などによっては、クーリング・オフ以外の取消しや解除を検討できる場合があります。

契約書類一式を用意して、消費生活センターや弁護士へ早急に相談してください。

免許行政庁へ勧誘の事実を伝える

宅建業法に違反する疑いがある勧誘については、その会社へ宅建業免許を与えている免許行政庁が相談先になります。

不動産会社の免許番号には、「国土交通大臣」または「〇〇県知事」などの表示があります。

複数の都道府県に事務所を設ける業者は国土交通大臣免許、原則として一つの都道府県内にのみ事務所を設ける業者は都道府県知事免許となります。

ただし、具体的な窓口や担当部署は変更されることがあります。

会社名、所在地、免許番号を確認したうえで、国土交通省や都道府県の公式サイトから最新の連絡先を調べてください。

免許行政庁へ伝える際は、「しつこい会社です」とだけ説明するより、法令上問題となる可能性のある行為を時系列で整理します。

例えば、勧誘目的を告げなかった、会社名を名乗らなかった、購入意思がないと伝えた後も勧誘した、勤務中と伝えても長時間電話を続けた、自宅へ押しかけた、といった事実です。

問題別に相談先を変える

状況 主な相談先 相談時に伝えること
断っても営業電話が続く 免許行政庁、消費生活センター 拒否した日時、言葉、再勧誘の回数
契約や解約について困っている 消費生活センター、弁護士 契約場所、売主、契約日、受領書面
手付金や違約金を請求された 消費生活センター、弁護士 請求書、契約書、支払記録
税金や節税の説明が不安 税理士 収支計画、減価償却、所得状況
ローン内容に不安がある 金融機関、弁護士、専門家 金利、期間、手数料、申込書類
居座りや脅迫があり危険 110番、警察署 現在地、相手の人数、具体的な行為
緊急ではないが警察へ相談したい #9110 訪問日時、録画、相手の特徴

行政へ相談するときは、録音、着信履歴、会社名、担当者名、日時、断った言葉、その後の発言を整理しておくと状況を伝えやすくなります。

居座りや威圧は110番、契約や再勧誘は188番または免許行政庁、緊急でない警察相談は#9110と示した図

なお、宅建協会などの業界団体が不動産相談窓口を設けている地域もあります。

ただし、業者に対する行政処分を行うのは免許行政庁であり、契約トラブルの法的判断を行うのは裁判所などです。

相談窓口ごとに役割が異なるため、一つの窓口だけで解決しない場合は、案内された別の機関へも相談してください。

不動産投資の相談先を目的別に確認したい場合は、不動産投資は誰に相談すべきかを解説した記事もあわせてご覧ください。

電話だけで投資判断しない注意点

不動産投資の営業電話がかかってきたからといって、その会社や担当者が直ちに悪質だと決めつける必要はありません。

電話営業を行っている会社の中にも、法律を守り、リスクを説明し、顧客の意思を尊重している会社はあります。

営業電話をきっかけに不動産投資を知り、自分で十分に調査したうえで良い物件を購入できる可能性も否定できません。

ただし、電話は営業担当者の話す順番で情報が進むため、物件価格、家賃相場、融資条件、管理費、修繕費、売却条件などを冷静に比較しにくい方法です。

声の印象が良い、説明が分かりやすい、熱心に対応してくれるといった営業担当者への評価と、投資物件の収益性は分けて考えてください。

興味を持った場合でも、その場で面談日や申込みを決めず、まず資料を送ってもらいましょう。

会社と担当者の身元を確認する

最初に、正式な会社名、所在地、宅建業免許番号、代表者名、担当者の所属と氏名を確認します。

会社の公式サイトがあるか、記載された住所に事務所があるか、免許番号と会社名が一致するかも調べてください。

営業担当者が送ってきたリンクだけを開くのではなく、自分で会社名を検索して公式サイトへアクセスする方が安全です。

メールの送信元ドメインが公式サイトと一致しているか、連絡先が携帯電話だけになっていないかも確認しましょう。

免許があるから、提案物件が必ず安全という意味ではありません。

ただ、会社を特定できないまま、年収や資産情報を伝えたり、本人確認書類を送ったりするのは避けてください。

電話後に受け取っておきたい資料

会社概要、宅建業免許番号、物件概要書、登記事項、レントロール、家賃査定の根拠、収支計画、融資条件、管理委託契約、サブリース契約、修繕履歴、長期修繕計画、売却時の想定価格と根拠などです。

区分マンションの場合は、管理規約、重要事項調査報告書、管理費と修繕積立金、総会議事録、大規模修繕の履歴なども確認したい資料です。

表面利回りだけで判断しない

表面利回りは、一般的に年間家賃収入を物件価格で割って計算します。

計算が簡単なので物件比較には使えますが、実際の経費や空室を反映していません。

例えば、年間家賃収入が120万円、物件価格が2,000万円なら、表面利回りは6%です。

しかし、管理費、修繕積立金、賃貸管理費、固定資産税、火災保険、入退去費用などを差し引くと、手元に残る金額は少なくなります。

さらにローンを利用すれば、元金返済と利息の支払いがあります。

広告に掲載された利回りが高く見えても、空室が長い、家賃設定が相場より高い、大規模修繕が近いといった事情があれば、想定どおりの収支にならない可能性があります。

家賃が下がった場合も計算する

営業資料では、現在の家賃が長期間続く前提で収支が作られていることがあります。

しかし、建物が古くなり、周辺に新しい賃貸住宅が増えれば、募集家賃を下げなければ入居者が決まらないこともあります。

現在の入居者が退去した後、同じ家賃で次の入居者が決まるとは限りません。

周辺の似た間取り、築年数、駅距離の募集事例を調べ、現在の家賃が相場より高くないか確認してください。

収支計画は、家賃が5%下がった場合、10%下がった場合、数カ月空室になった場合でも作ってみます。

少し条件が悪くなっただけで毎月の持ち出しが大きくなるなら、余裕の少ない計画です。

金利と修繕費を甘く見ない

変動金利で借りる場合、将来の金利が契約時と同じとは限りません。

金利が上昇すると、返済額や総支払利息が増える可能性があります。

営業資料に記載された金利だけでなく、金利が上がった場合の返済額も確認してください。

また、建物と設備は時間とともに劣化します。

一棟物件なら、屋根、外壁、防水、給排水設備、共用部、消防設備などに費用がかかります。

区分マンションでも、室内設備の交換、原状回復、管理費や修繕積立金の値上げが起こることがあります。

修繕費をほとんど計上していない収支表は、実際より良く見える可能性があるため注意してください。

確認項目 営業資料で見落としやすい点 確認方法
家賃 現在の入居者だけ高い家賃になっている 周辺の募集事例と退去後の想定家賃を調べる
空室 年間を通して満室の前提 数カ月の空室を入れて再計算する
管理費 賃貸管理料以外の費用が抜けている 契約書と費用一覧を確認する
修繕 設備交換や大規模修繕が少ない 修繕履歴と将来計画を確認する
金利 契約時の低い金利だけで計算 金利上昇時の返済額を試算する
売却 購入価格に近い金額で売れる前提 周辺の中古相場と売却費用を確認する
税金 節税額だけを強調している 税理士へ保有中と売却時の税金を確認する

出口戦略を購入前に考える

不動産投資では、購入後に家賃収入を得るだけでなく、将来どのように売却するかも重要です。

売却するときは、残っているローンを売却代金で返済できる必要があります。

購入価格が相場より高い場合、数年後に売ろうとしても、売却価格よりローン残高の方が多くなる可能性があります。

その場合、売却するために自己資金を追加しなければならないこともあります。

営業担当者が「生命保険代わりになります」「老後まで持てば家賃が残ります」と説明しても、途中で転職、病気、家族状況の変化、金利上昇などが起こるかもしれません。

いつでも希望価格で売れるとは限りませんが、少なくとも5年後、10年後にどのような人が買う物件なのかを考えておく必要があります。

一社のシミュレーションだけを信じない

提案を受けた会社だけでなく、別の不動産会社、賃貸管理会社、金融機関、税理士などからも情報を集めてください。

一社の説明だけを聞いていると、その会社の前提が市場全体の常識であるように感じてしまいます。

複数社の資料を並べると、家賃設定、修繕費、管理費、売却価格の見込みが不自然に楽観的ではないか判断しやすくなります。

ただし、複数の販売会社へ相談しただけでは、全員が販売側という点は変わりません。

物件を売ることで利益を得る立場だけでなく、税理士、弁護士、独立した立場の宅建士など、契約しなくても不利益を受けない第三者の意見を取り入れると安心です。

家賃下落、空室、金利上昇、修繕、5年後・10年後の売却価格を営業会社へ確認する要求リスト

会社選びの比較基準については、不動産投資会社を比較するときの選び方でも詳しく解説しています。

YAMATOのワンポイントアドバイス!

私が不動産投資で大切にしているのは、「買えるか」より「買った後も持ち続けられるか」です。

電話口で魅力的に聞こえたとしても、資料を残さない、数字の根拠を出さない、比較する時間を与えない会社とは、無理に話を進める必要はありません。

本当に投資家のことを考える会社なら、質問を嫌がらず、リスクを隠さず、持ち帰って検討する時間を認めるはずです。

あなたが断ろうとしたときに態度が変わる会社は、契約後の長い付き合いにも不安が残りますよ。

しつこい営業は、冷静な投資判断を難しくします。

あなたが電話を切った後に「なぜか今すぐ決めなければいけない気がする」と感じたなら、それは一度立ち止まる合図かもしれません。

不動産投資は、営業担当者の勢いではなく、物件、融資、管理、税金、修繕、売却まで含めた数字で判断してください。

明確な拒否、証拠の記録と公的窓口への相談、複数社と専門家による独立判断で主導権を守るまとめ

不動産投資の営業電話に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 不動産投資の営業電話はすぐ切っても問題ありませんか?

A. 興味がなければ長い説明を聞く必要はありません。

可能であれば、「購入する意思はありません。今後の勧誘も不要です」と明確に伝えてから通話を終了してください。

一度拒否を伝えておくと、後日また電話が来た場合に、すでに勧誘を断っていた事実を説明しやすくなります。

ただし、相手が威圧的な場合、暴言を吐く場合、話を終わらせてくれない場合は、安全と精神的な負担を優先し、そのまま電話を切って構いません。

通話後は、着信履歴、会社名、担当者名、電話の内容を記録し、必要に応じて着信拒否を設定しましょう。

Q2. 一度断ったのに別の担当者から電話が来たらどうすればよいですか?

A. 前回断った日時と担当者名を伝え、「御社からの勧誘は一切不要だと伝えています。今後の連絡も希望しません」と改めて明確に拒否してください。

同じ宅建業者の別担当者や、業者から委託された営業会社による勧誘も、状況によって再勧誘として問題になる可能性があります。

別担当者だから最初から説明を聞き直す必要はありません。

会社名、担当者名、電話番号、電話が来た日時、前回拒否した日時を記録し、繰り返される場合は免許行政庁や消費生活センターへ相談してください。

Q3. 営業電話を録音すると相手に許可を取る必要がありますか?

A. 自分が参加している会話を証拠保全のために録音することは、一般に録音しただけで直ちに違法になるものではないと考えられています。

相手へ録音していることを告げると、その時点で勧誘が止まることもありますが、必ず事前に告知しなければ録音できないとは一概に言えません。

ただし、録音方法や利用方法によって判断が変わる可能性があります。

特に、録音データをインターネット上へ公開すると、プライバシー、名誉、業務への影響など、別の法的問題が生じる可能性があります。

証拠として保管し、行政機関や弁護士へ提出する範囲で扱うのが安全です。個別の法的判断は弁護士にご相談ください。

Q4. 自宅に来た不動産営業が帰らない場合は警察を呼べますか?

A. 「帰ってください」と明確に伝えても居座る、ドアを閉めさせない、敷地内へ入り込む、脅迫するなど、現在進行形で身の危険を感じる場合は110番してください。

罪名を正確に説明する必要はありません。

「退去を求めても帰らない」「ドアに足を挟まれている」「大声で威圧されている」と、起きている事実を伝えてください。

相手がすでに帰っており、再訪への不安や過去の訪問について相談したい場合は、警察相談専用電話の#9110や最寄りの警察署が相談先です。

犯罪に該当するかどうかは、警察や司法機関が個別の事情から判断します。

Q5. 営業に押されて契約した場合は8日以内なら必ず解約できますか?

A. 8日以内であっても、すべての不動産契約を必ず解約できるとは限りません。

不動産のクーリング・オフは、宅建業者が自ら売主であるか、どこで申込みや契約をしたか、買主がその場所を自ら申し出たか、すでに引渡しや代金の支払いが完了しているかなどによって適用が変わります。

一方で、8日を過ぎていても、説明内容や勧誘方法、契約条項などにより、別の取消しや解除を検討できる可能性があります。

契約書、重要事項説明書、申込書、メール、録音、支払記録などをそろえ、188や弁護士へ早急に相談してください。

業者から「もう解除できない」と言われても、その説明だけで諦めず、第三者へ確認することが大切です。

まとめ:しつこい営業には明確な拒否と記録で対応する

不動産投資の営業電話がしつこいときは、「今は忙しい」「考えておきます」と曖昧に答えるのではなく、購入する意思がないことと、今後の勧誘を希望しないことを明確に伝えてください。

断る理由を詳しく説明する必要はありません。

「不動産投資を購入する意思はありません。御社からの勧誘は一切不要です。今後の連絡もお断りします」と短く伝えれば大丈夫です。

会社名、担当者名、電話番号、日時、断った内容を記録し、拒否後も勧誘が続く場合は、消費生活センターや免許行政庁へ相談します。

録音できる場合は、相手の会社名や担当者名、拒否後も勧誘が続いた事実を記録してください。録音できない場合でも、通話直後のメモや着信履歴は役立ちます。

訪問営業が帰らない、ドアを閉めさせない、敷地内へ入り込む、脅迫するなど危険を感じる場合は、自分で解決しようとせず110番してください。

不動産投資に興味がある場合でも、電話の勢いだけで判断してはいけません。

会社情報、提案資料、収支条件を記録に残し、物件価格、家賃、空室、金利、修繕、税金、売却まで確認します。

複数の会社や、販売による利益を受けない専門家の意見も比較してから決めましょう。

しつこい営業に押されて買うのではなく、あなた自身が必要な情報を集め、自分の意思で選ぶことが大切です。

正確な制度や窓口は国土交通省、消費者庁、警察などの公式サイトをご確認ください。

契約や法律、税金に関する最終的な判断は、消費生活センター、宅建士、税理士、弁護士などの専門家へご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました