不動産投資はやめとけ?失敗する人と成功しやすい人の違い

「不動産投資はやめとけ」は本当かをテーマに、賃貸経営を生き抜くための考え方を示した表紙 不動産投資

サラリーマン投資家のYAMATOです。

私は宅建士として不動産取引や賃貸借の仕組みを学びながら、実際に2棟のアパートを所有し、賃貸経営を続けています。

不動産投資について調べ始めると、かなりの確率で目にするのが「不動産投資はやめとけ」という言葉です。

2chや5ch、なんJなどの掲示板を検索しても、「不動産投資は危険」「割に合わない」「無理ゲー」「素人にはおすすめしない」といった、なかなか強烈な意見が出てきますよね。

これから数千万円という大きなお金を動かすかもしれないのですから、「そんなに危険なら、やらないほうがいいのでは?」と不安になるのは当然かなと思います。

むしろ、この段階で少し怖いと感じられているほうが、私は健全だと思っています。

不動産投資は、スマートフォンで数万円の投資信託を買うのとは違います。

物件によっては数千万円、場合によっては1億円を超える借入をして、10年、20年、30年という長い期間にわたって賃貸経営を続けていくことになります。

実際に大家をしている私から言うと、「不動産投資は誰でもやるべき」とはまったく思っていません。

知識がない状態で相場より高い物件を買ったり、節税だけを目的に収益性の低い物件を買ったり、手元資金をほとんど残さず限界まで融資を利用したりすれば、本当に危険な投資になります。

逆に言えば、不動産投資で大きな失敗につながるパターンには、ある程度の共通点があります。

購入価格が高すぎる、家賃を楽観的に見積もっている、空室を考えていない、修繕費を準備していない、融資条件を理解していない、税金だけを見ている、最後にいくらで売れるかを考えていない。

こういった要素が重なっていくと、不動産投資は一気に「無理ゲー」に近づいていきます。

一方で、購入価格、家賃、空室、修繕、融資、税金、そして最後の売却まで数字で確認し、少しくらい悪い状況になっても持ち続けられる計画を作れば、不動産投資は資産形成の一つの選択肢になり得ます。

つまり、「不動産投資はやめとけ」という言葉をそのまま信じるのではなく、なぜやめとけと言われているのかを理解することが大切なんですね。

この記事では、ネット上の極端な成功談にも失敗談にも寄り過ぎず、私自身が大家として実際に物件を運営している立場から、「どこが本当に危ないのか」「どんな人なら検討できるのか」をできるだけ分かりやすく整理します。

不動産投資を無理ゲーとするネットの評価と、リスクを数値化して経営する考え方を比較した図

  • 不動産投資がやめとけと言われる本当の理由
  • 失敗しやすい物件や投資方法の特徴
  • 不動産投資がうまくいかない人の共通点
  • 成功しやすい人が購入前に確認していること

この記事の結論

不動産投資そのものが危険なのではなく、知識不足のまま高値物件を買うこと、無理な借入をすること、節税だけを目的にすること、空室や修繕を考えないこと、出口を考えないことが危険です。

物件を正しく比較し、余裕のある資金計画を作り、購入後の管理から最後の売却まで設計できるのであれば、不動産投資は十分に検討する価値があります。

反対に、数字を確認せず「不動産会社が大丈夫と言ったから」という理由だけで買うのであれば、私は一度立ち止まることをおすすめします。

不動産投資はやめとけと言われる理由

まず、「不動産投資はやめとけ」という言葉がなぜこれほど多いのかを整理してみましょう。

不動産投資は株式や投資信託のように、少額から始めて必要になれば比較的すぐ売却できる投資とは性質がかなり違います。

購入金額が大きく、借入期間も長くなりやすいうえ、物件を所有したあとには賃貸経営が続きます。

さらに、不動産は一つとして完全に同じものがありません。

同じ地域、同じ築年数、同じ間取りであっても、駅からの距離、道路付け、建物状態、土地の形、管理状態、入居者の属性などによって価値は変わります。

そのため、「この商品をこの価格で買えばいい」という分かりやすい正解がありません。

これが不動産投資を難しくしている大きな理由の一つです。

また、不動産は購入した瞬間に終わる投資でもありません。

入居者が退去すれば募集条件を考え、設備が壊れれば修理し、大きな修繕が必要になれば資金を準備します。

つまり、実態としては「不動産という金融商品を買う」のではなく、「不動産賃貸業を始める」と考えたほうが近いんですね。

金融商品への投資と不動産賃貸業を比較し、不動産投資では入居者募集や修繕などの経営判断が必要であることを示した図

この特徴を理解しないまま参入すると、「聞いていた話と違う」「こんなにお金が出ていくとは思わなかった」と感じやすくなります。

不動産投資が危険とされる5大リスク

不動産投資にはいくつものリスクがありますが、特に意識しておきたいのが空室・家賃滞納・災害・老朽化・金利上昇です。

不動産投資の空室、家賃滞納、災害、老朽化、金利上昇という5大リスクと確認ポイントを示した図

重要なのは、それぞれのリスクを「起きたら困ること」として見るのではなく、最初から一定確率で起きるものとして収支に入れておくことです。

主なリスク 何が起きるか 購入前に考えたいこと
空室 家賃が入らなくてもローン返済や固定費は続く 満室ではなく空室を見込んだ収支でも耐えられるか
家賃滞納 入居者がいても家賃収入が入らない場合がある 保証会社、入居審査、管理会社の督促体制を確認する
災害 地震、水害、火災などで建物が損傷する可能性がある ハザードマップ、耐震性、火災・地震保険を確認する
老朽化 設備交換や外壁、屋根などの修繕負担が増える 修繕履歴と今後必要になる工事を想定する
金利上昇 借入条件によって返済負担が増える 金利が上がった場合の返済額でも収支が持つか確認する

まず分かりやすいのが空室リスクです。

家賃7万円の部屋が1室空けば、単純に毎月7万円の売上が消えます。

でも、物件のローン返済や固定資産税、共用部の電気代、管理に必要な費用まで7万円分減ってくれるわけではありません。

ここが普通の商売と違って少し厄介なところです。

特に区分マンションを1室だけ所有している場合、その1室が空室になれば家賃収入は0円です。

稼働率で考えれば、入居中は100%、退去した瞬間に0%という非常に大きな変動になります。

一方、一棟アパートなら複数の部屋から家賃を得られるため、1室空いても家賃収入がすべてなくなるわけではありません。

ただし、一棟アパートには別の負担があります。

屋根、外壁、廊下、階段、給排水設備、敷地内設備など、建物全体をオーナー側で維持する必要があるからです。

つまり、「区分だから危険」「一棟だから安全」という単純な話ではないんですね。

投資方法が違えば、抱えるリスクの形も変わります。

家賃滞納も忘れてはいけません。

入居者が住んでいるので新しい人を募集できないのに、家賃だけ入ってこないという状態になると、空室より対応が難しくなる場合があります。

そのため、現在の賃貸経営では保証会社を利用するケースが多いですが、保証内容や免責事項は会社や契約によって違います。

「保証会社があるから何があっても安心」と考えるのではなく、どこまで保証されるかを確認しておきたいところです。

さらに、地震や水害、火災などの災害リスクがあります。

保険に入っていても、すべての損害が必ず100%補償されるわけではありません。

物件を見るときには価格と利回りだけでなく、ハザードマップや周辺の地形も確認しておいたほうがいいですよ。国土交通省では全国の洪水、土砂災害、高潮、津波などの災害リスクを確認できるハザードマップ情報を案内しているため、購入候補の住所を具体的に確認するときに役立ちます。

(出典:国土交通省「ハザードマップポータルサイトのリニューアルについて」)

そして、ほぼ避けられないのが老朽化です。

エアコン、給湯器、インターホン、換気扇、水栓などの設備は永久には使えません。

外壁や屋根、防水なども同じです。

何年間も大きな修理がなければ「この物件は手がかからないな」と安心してしまいますが、その間に修繕が消えたわけではなく、将来に先送りされているだけの場合もあります。

特に怖いのは、これらのリスクが一つずつ順番に発生するとは限らないことです。

退去が続いて家賃収入が減った時期に給湯器が壊れ、さらに外壁修繕の時期が来て、そのタイミングでローン金利まで上がる。

こうしたことは十分考えられます。

私自身、大家をしていて感じるのは、予定通りに何も起こらないことを前提にした収支はかなり危ないということです。

YAMATO:満室で設備も壊れず、家賃も下がらず、金利も変わらない前提なら、多くの物件が良く見えます。でも賃貸経営では、悪いことが少し重なっても耐えられる余白を見るほうが大事ですよ。

リスクがある=投資してはいけない、ではありません。

重要なのは、「何が起きるか分からない」状態から、「この程度なら起きても大丈夫」と数字に変えることです。

例えば空室が1室増えた場合、家賃が5%下がった場合、まとまった修繕費が発生した場合など、いくつかの悪い条件を入れて再計算してみると、その物件の本当の強さが見えてきます。

不動産投資そのもののメリットとリスクを整理したい方は、不動産投資のメリット・デメリット|家賃収入だけで判断してはいけない理由もあわせて確認してみてください。

知識不足と高値づかみで失敗する

不動産投資で私が最も避けたいと思っているのが高値づかみです。

なぜなら、購入後に改善できる問題と、改善するのが非常に難しい問題があるからです。

例えば空室であれば、家賃を見直す、募集写真を変える、設備を追加する、管理会社を変更するなど、オーナー側でできることがあります。

共用部が汚ければ清掃できますし、古い設備で競争力が落ちているのであれば交換するという方法もあります。

ところが、3,000万円程度の価値しかない物件を4,000万円で買ってしまった場合、購入後の努力だけで1,000万円の差を埋めるのはかなり難しいですよね。

しかも、ローンは4,000万円を基準に組んでいる可能性があります。

売却したくなったときに3,000万円程度でしか売れなければ、売却代金だけではローン残債を完済できないこともあります。

こうなると、「売りたいのに売れない」という状態に陥ることがあります。

不動産投資がうまくいかない人の中には、運営能力の問題ではなく、そもそも購入価格の時点でかなり不利なスタートを切っている人もいるんです。

にもかかわらず、初心者ほど販売資料に書かれた「表面利回り」や「毎月の家賃」だけを見て判断しがちです。

表面利回りは、一般的に年間家賃収入を物件価格で割って計算します。

しかし、固定資産税、管理費、保険料、修繕費、空室損失、入居者募集費用、ローン返済などは、この数字だけでは分かりません。

確認する数字 見る理由
周辺の募集家賃 現在の家賃が相場より高すぎないか確認する
同地域の売買価格 販売価格が周辺相場から離れていないか確認する
固定資産税など 毎年発生する固定費を把握する
管理・修繕費 家賃から実際に残る金額を考える
入居率 満室想定だけで収支を見ないため
ローン残高の推移 将来売却できる価格との関係を見る
出口価格 売却後まで含めて利益が残るか考える

さらに、不動産には株式市場のような一つの明確な市場価格がありません。

同じ駅、同じ築年数、似た間取りでも、道路付け、土地形状、管理状態、入居状況、建物の傷み具合などによって価格は変わります。

だからこそ、販売会社の提案価格をそのまま「この物件の価値」だと思わないほうがいいんですね。

「銀行が融資してくれるから適正価格」と考えるのは危険です。

融資承認は、あなたの属性、返済能力、物件の担保評価、金融機関独自の審査などを踏まえた結果です。

金融機関から融資が出たからといって、10年後にその価格で売却できることまで保証されるわけではありません。

私は物件を見るとき、販売会社が提示した資料だけで判断せず、周辺家賃、近隣の売買事例、土地価格、建物状態、修繕履歴などをできる範囲で比較します。

少し面倒ですよね。

でも、不動産投資ではこの「面倒な確認」がかなり大切です。

買ったあとに管理会社を変えることはできます。

設備を交換することもできます。

しかし、購入価格だけはあとから変更できません。

不動産投資は、買ったあとより買う前の判断のほうが重要な場面が多い。

私はこれくらい慎重に考えてちょうどいいと思っています。

無理な借入が経営を苦しくする

不動産投資の大きな特徴は、金融機関から融資を受けて物件を購入できることです。

自己資金だけでは購入できない規模の資産を持てるため、融資は不動産投資の大きな強みですよね。

一方で、この融資が失敗したときの損失を大きくする原因にもなります。

例えば家賃が月30万円入る物件でも、ローン返済、管理費、税金の積立、修繕費の積立などを考えると毎月29万円近く出ていくのであれば、実質的な余裕はほとんどありません。

数字の上では毎月1万円の黒字。

でも、1室空いただけで簡単に赤字になります。

そこへエアコンや給湯器の交換が重なれば、年間収支もマイナスになる可能性があります。

ですから、融資を考えるときに大切なのは、「いくら借りられるか」ではなく「どこまでなら安全に返し続けられるか」です。

この2つは似ていますが、意味はまったく違います。

収支の変化 購入時 悪化した場合
月間家賃 30万円 27万円
ローン返済 20万円 22万円
管理・維持費 5万円 5万円
月間余力 5万円 0万円

上の数字はあくまで仕組みを説明するための単純な例ですが、家賃が少し下がり、返済額が少し増えるだけでも手残りは大きく変わります。

変動金利を利用している場合は、金利上昇時の収支も確認しておきたいところです。

ローンによって金利の見直し時期や返済額の変更方法は異なります。

住宅ローンで知られている「5年ルール」「125%ルール」なども、すべての金融機関や不動産投資ローンに共通する仕組みではありません。

大事なのは名称を覚えることではなく、自分が契約するローンの金利がいつ変わり、返済額にどのように反映されるのかを契約前に確認することです。

私は購入前に「悪くなった場合」を見ます。

家賃が5%下がったらどうなるか。

空室が1室増えたらどうなるか。

まとまった修繕が発生したらどうなるか。

借入金利が上昇したらどうなるか。

これらを同時に入れても生活資金に影響せず返済できるかを見ると、物件の安全性がかなり分かりやすくなります。

家賃下落、空室増加、修繕費発生、金利上昇を想定して不動産投資の返済余力を確認するストレステスト図

融資を使うこと自体が悪いのではありません。

私自身、不動産投資における融資には大きな価値があると思っています。

問題なのは、融資を最大限まで使わなければ成立しない物件や、毎月の余力がほとんど残らない物件を「借りられるから」という理由だけで買ってしまうことです。

不動産投資が割に合わないと感じる理由

不動産投資を始めたあとに「こんなに手間がかかるなら割に合わない」と感じる人もいます。

これも、不動産投資を始める前のイメージと実際の賃貸経営との差から生まれることが多いかなと思います。

「毎月自動的に家賃が振り込まれる」と聞くと、何もしなくてもお金が入ってくる完全な不労所得を想像しますよね。

確かに、管理会社に日常業務を任せれば、オーナーが毎日物件へ行く必要はありません。

ただし、管理会社に任せても「経営判断」まで完全になくなるわけではありません。

退去後にどこまでリフォームするか、家賃はいくらにするか、設備を交換するか、大規模修繕をいつ行うか。

こうした判断は最終的にオーナーへ戻ってきます。

そして、家賃収入からは維持費、税金、修繕、借入返済などさまざまなお金が出ていきます。

この部分を知らずに「家賃10万円なら年間120万円儲かる」と考えると、実際に始めたあとで割に合わないと感じやすくなります。

修繕費や空室で収支が悪化する

物件購入時の販売資料では、満室時の年間家賃収入が大きく表示されていることがあります。

年間家賃600万円。

数字だけを見るとなかなか魅力的ですよね。

でも、この600万円がそのままオーナーの利益になるわけではありません。

家賃収入から管理費、固定資産税、保険料、共用部の電気代や清掃費、修繕費、入居者募集費用、ローン返済などが出ていきます。

さらに空室があれば、そもそも600万円すべてが入ってきません。

不動産投資を見るときには、私は「年間家賃収入」より最終的にいくら現金が残るかのほうを重視します。

項目 内容 特徴
家賃収入 入居者から受け取る賃料 空室や家賃下落で減る
管理費 管理会社への委託費など 継続的に発生する
税金 固定資産税など 家賃収入が減っても発生する
修繕費 設備交換や建物修繕 年ごとの金額差が大きい
募集費用 退去後の募集や広告など 入退去が多いほど増えやすい
ローン返済 金融機関への元利返済 空室でも基本的に続く

特に修繕費は厄介です。

毎月同じ金額が出ていくわけではありません。

何も起きない年もあれば、複数の設備交換が同じ年に重なることもあります。

例えば一つの部屋で給湯器を交換した翌月、別の部屋でエアコンが故障するということもあります。

一棟アパートの場合には、これに加えて外壁、屋根、防水、給排水設備など、まとまった金額になる修繕も考えておかなければなりません。

そのため、年間収支を見るときに「今年修繕費が0円だったから利益が多かった」と単純に考えないほうがいいんですね。

今年発生しなかった修繕費を、将来のために積み立てておくという発想が必要です。

また、築年数が進めば、新築時と同じ家賃を永久に維持できるとは限りません。

周辺に新しい賃貸住宅が増えれば、入居希望者から設備や家賃条件を比較されます。

古い物件でも立地や管理状態が良ければ十分競争できますが、「家賃はずっと今と同じ」と決めつけるのは危険です。

だから私は、購入時の家賃がずっと続く前提ではなく、家賃が少し下がっても持ち続けられるかを見ます。

不動産投資の本当の収支については、不動産投資は儲かるのか?家賃収入だけで見てはいけない本当の収支でも詳しく解説しています。

デッドクロスで手残りが減る

不動産投資では、帳簿上の利益と実際に手元に残る現金が一致しないことがあります。

ここは初心者には少し分かりにくいところですよね。

そこで知っておきたいのがデッドクロスという考え方です。

建物などの取得費は、原則として購入した年に全額を経費にするのではなく、税法上定められた期間にわたって減価償却費として経費計上していきます。

減価償却費は実際にその年に現金を支払っているわけではなくても、条件に応じて経費として計上されます。

そのため、税務上の利益を抑える方向に働きます。

一方、ローン返済を見ると、利息部分と元本部分では税務上の扱いが違います。

一般的な賃貸経営では、事業に対応する借入の利息は必要経費になり得ますが、元本返済そのものは経費ではありません。

国税庁も、業務用資産の購入など業務のために借り入れた資金の利息について、一定の条件のもとで必要経費になることを案内しています。実際の経費算入の可否は物件や所得の状況によって異なるため、個別の申告では確認が必要です。

(出典:国税庁「No.2210 必要経費の知識」)

ここが重要です。

毎月30万円をローン返済しているからといって、30万円すべてがそのまま税務上の経費になるわけではないんですね。

時間が経って減価償却費が減少する一方、元本返済が続いていくと、帳簿上は利益が増えて税負担も増えているのに、手元には思ったほど現金が残らないという状態になることがあります。

こうした状態が一般にデッドクロスと呼ばれています。

満室想定家賃から税金や管理費、修繕費、空室損失、ローン返済を差し引く流れとデッドクロスを示した図

項目 税務上 実際の現金
家賃 収入になる 入金される
減価償却費 条件に応じ経費になる その年の現金支出とは限らない
ローン利息 条件に応じ経費になる 現金が出ていく
ローン元本 原則として経費にならない 現金が出ていく

減価償却による赤字=お金を失っているとは限りません。

逆に、税務上は黒字でも現金収支が苦しいことがあります。

不動産投資では「税務上の利益」と「実際のキャッシュフロー」を分けて確認することが大切です。

もう一つ注意したいのが売却時の税金です。

土地や建物の譲渡所得は所有期間によって税務上の区分が変わるため、「買ってすぐ売れば利益を確定できる」と単純に考えることはできません。

また、売却代金そのものに税金がかかるのではなく、取得費や譲渡費用などを踏まえて譲渡所得を計算するため、実際の税額は個々の状況で変わります。

税金だけを理由に物件を持ち続ける必要はありませんが、出口を考えるときに税金を無視してはいけないということです。

購入前から「将来どのタイミングで売却する可能性があるか」「そのときローンはいくら残っているか」「税引き後に現金はいくら残りそうか」を考えておくと、不動産投資全体の姿がかなり見えやすくなります。

税務の扱いは個別事情や制度改正によって変わる可能性があるため、具体的な売却を検討するときは国税庁の最新情報を確認し、必要に応じて税理士へ相談してください。

おすすめしない不動産投資の典型例

不動産投資にはさまざまな方法があり、特定の物件種別だけを見て「絶対にダメ」と決めつけることはできません。

新築でも良い物件はありますし、中古だから安全というわけでもありません。

区分マンションにも一棟アパートにも、それぞれメリットとデメリットがあります。

ただし、初心者が特に慎重になったほうがいい販売方法や考え方はあります。

共通しているのは、物件そのものの収益性より「安心できそうな言葉」が前面に出ているケースです。

「節税できます」「家賃保証があります」「年金代わりです」「銀行が融資するので安心です」。

こういった言葉だけで購入を決めるのはおすすめしません。

ここでは、私ならかなり慎重に数字を見るケースを紹介します。

節税、サブリース、高利回りなどの不動産投資営業トークと、その裏で確認すべきリスクや数字を整理した図

新築ワンルームの節税目的に注意

会社員が不動産投資の営業を受けたときによく聞くのが、「節税になります」「将来の年金代わりになります」「生命保険代わりになります」といった説明です。

これらには一定の仕組み上の根拠がある場合もあります。

例えばローンに団体信用生命保険が付いている商品であれば、一定の保障機能を持つことがあります。

不動産所得の計算上、一定の費用を必要経費として計上できることもあります。

ただし、それだけで購入を判断するのは危険です。

私が最初に見るのは、節税効果を抜きにしても賃貸経営として成立するのかという点です。

仮に毎月1万円の持ち出しが発生するなら、年間12万円。

単純計算で10年間続けば120万円です。

さらに管理費や修繕積立金が上がったり、空室や設備交換が発生したりすれば負担は増えます。

それを「確定申告で税金が戻るから大丈夫」と考えるのは、順序が逆かなと思います。

YAMATO:大家としては、税金が減ることよりも、まず賃貸経営そのものから現金が残るかを見たいです。節税は結果として付いてくるもので、赤字物件を正当化する理由にはしないほうがいいですよ。

また、新築物件には新築ならではの価格が含まれています。

だからといって「新築は購入した瞬間に必ず何割下がる」と一律に言うことはできませんが、少なくとも新築時の販売価格と中古市場での価格形成が同じとは限りません。

そのため、新築物件を購入するときには周辺の中古物件がいくらで取引されているかを見ることが重要です。

例えば同じ駅で築5年、築10年の似たワンルームがどのくらいの価格で売りに出されているのか。

家賃はいくらなのか。

管理費と修繕積立金はいくらなのか。

こうした数字を並べると、営業資料だけでは分からないことが見えてきます。

営業説明 追加で確認したいこと
節税できます 節税がなくても収支は黒字になるか
年金代わりです 完済までの総支払額と将来家賃はいくらか
生命保険代わりです 保障内容、保険料相当額、対象外条件は何か
人気エリアです 周辺空室率や競合物件の募集状況はどうか
将来売却できます 現在の中古相場とローン残高の推移はどうか

新築物件には、新しい設備、入居者を募集しやすい、当初の修繕リスクが比較的小さいなどのメリットもあります。

ですから「新築ワンルームだからダメ」ではありません。

問題なのは、周辺の中古価格や家賃相場を確認せず、営業担当者が示した将来予測だけで購入することです。

購入価格、実際の家賃、管理費、修繕積立金、借入条件、将来の売却価格まで数字にして比較してください。

この数字を並べたうえで納得できるのであれば、初めて投資として検討できるかなと思います。

サブリースと家賃保証の落とし穴

「空室になっても家賃が入る」と聞けば、サブリースは初心者にとって非常に安心できる仕組みに見えます。

入居者募集も管理も任せられて、毎月一定の賃料が入る。

これだけ聞けば、かなり魅力的ですよね。

ただし、家賃保証という言葉を「契約期間中ずっと同じ金額が無条件で保証される」と受け取らないことが大切です。

国土交通省も、サブリースをめぐって家賃の見直しや契約解除条件などの説明が十分でないまま契約し、トラブルになるケースを踏まえて、賃貸住宅管理業法による規制や注意事項を案内しています。

(出典:国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」)

サブリースを利用するのであれば、「保証されるか」だけではなく、いくらで、いつまで、どの条件で保証されるのかを確認してください。

確認項目 チェックしたい内容
保証賃料 実際の市場家賃に対して何%程度か
賃料改定 いつ、どのような条件で見直されるか
契約期間 更新条件と途中解約の条件はどうなっているか
修繕負担 設備交換や原状回復を誰が負担するか
免責期間 入退去時などに賃料が支払われない期間があるか
管理会社の経営 長期間契約を継続できる事業者か

過去にはシェアハウス投資をめぐって大きな問題も発生し、「家賃保証があるから安心」「金融機関が融資してくれるから問題ない」という考え方の危険性が広く認識されるきっかけになりました。

だからといって、私はサブリースそのものを否定しているわけではありません。

オーナーの目的や物件によっては、管理の手間や空室時の収入変動を抑える手段になる場合もあります。

重要なのは、サブリース契約がなくても物件そのものの収益性が成り立つかを見ることです。

サブリースが外れた瞬間に経営できなくなる物件なら、私はかなり慎重に考えます。

住宅ローンの投資目的利用にも注意してください。

例えば住宅金融支援機構のフラット35は、自ら居住する住宅など、定められた用途のための住宅ローンであり、投資用物件を取得するためのローンではありません。

「住民票だけ移せば大丈夫」「みんなやっている」などと業者から言われても、応じないでください。

住宅金融支援機構は、不適正利用が確認された場合、残債務について一括返済を求める旨を明示しています。

(出典:住宅金融支援機構「フラット35の不適正利用に巻き込まれないために」)

不動産投資で「これくらいなら大丈夫だろう」という軽い判断が、数千万円の問題につながることがあります。

契約内容に違和感を感じたときは、その場で契約せず、一度持ち帰って確認してください。

悪質な営業や危険な契約を避ける方法については、悪質な不動産投資業者の見分け方|契約前に確認すべき危険サインでも詳しく整理しています。

2chやなんJでやめとけと言われる理由

「不動産投資 やめとけ」と検索すると、2chや5ch、なんJなどの匿名掲示板に関する検索候補が出てくることがあります。

販売会社のサイトには成功する話ばかり書いてある。

だったら、本音が書かれていそうな匿名掲示板を見てみよう。

そう考える気持ちはよく分かります。

実際、不動産投資は売る側と買う側の情報量に差が生まれやすい分野なので、営業会社とは関係のない人の体験談を調べること自体は悪いことではありません。

ただし、匿名掲示板の情報には独特の偏りがあることも理解しておきたいところです。

失敗談が目立ちやすい背景

匿名掲示板では、「数千万円の借金を背負った」「毎月赤字になった」「修繕費で貯金がなくなった」「売りたくてもローンが残って売れない」といった失敗談ほど注目を集めます。

これはある意味当然です。

「会社員が投資用マンションを買って破産寸前」という話と、「今月も普通に入居者から家賃が入ってローンを返しました」という話なら、前者のほうが話題になりますよね。

順調に10年間賃貸経営をしている人が、毎月匿名掲示板へ「今月も特に何もありませんでした」と書き込み続ける動機もあまりありません。

そのため、匿名掲示板では成功している人より、失敗した人の体験談が目につきやすくなります。

一方で、だからといって掲示板の失敗談を全部無視していいわけではありません。

私はむしろ、失敗談の中に同じパターンが繰り返し出てくることに注目したほうがいいと思っています。

高値で購入した。

節税を信じすぎた。

家賃保証を過信した。

借入を増やしすぎた。

空室を考えていなかった。

修繕費を準備していなかった。

営業担当者に任せきりだった。

売却価格を考えていなかった。

こういった失敗にはかなり共通点があります。

掲示板は「結論」ではなく「失敗事例集」として見る

「不動産投資は全部ダメ」「大家は必ず損をする」といった極端な結論をそのまま信じる必要はありません。

一方で、どんな条件で失敗したのかを知る材料として読むと参考になる場合があります。

掲示板で見かける話 確認すべきポイント
毎月赤字になった 購入価格、家賃、ローン返済額はいくらだったか
売れなくなった ローン残債と実際の売却価格はいくらだったか
修繕で大赤字 築年数と購入前の修繕履歴を確認していたか
家賃保証がなくなった サブリース契約の条件を確認していたか
業者に騙された 他社比較や相場確認をしていたか

例えば「不動産投資で毎月5万円赤字になった」という書き込みだけでは、情報として十分ではありません。

5,000万円の物件をいくらの家賃で運営し、いくら借りて、何%の金利で、何年返済だったのか。

その条件が分かれば、「不動産投資が危険だった」のではなく、「その購入条件では収支が厳しかった」と分析できるかもしれません。

ネットの意見を読むときは、「この人は何を買ったのか」「いくらで買ったのか」「どんな融資だったのか」「なぜ赤字になったのか」まで分解して考えてみてください。

そうすると、「不動産投資はやめとけ」という大きな言葉に振り回されにくくなりますよ。

不動産投資がうまくいかない人の特徴

同じ不動産投資でも、安定して経営できる人と、途中で苦しくなる人がいます。

では、その差は何でしょうか。

年収でしょうか。

職業でしょうか。

もちろん融資を受けるうえで年収や勤務先が影響することはあります。

ただ、私は不動産投資を長く続けられるかどうかは、購入前と購入後の行動にもかなり表れると思っています。

特に危ないのが、経営判断そのものを他人へ丸投げしてしまうケースです。

業者任せで出口戦略を考えない

不動産会社や管理会社は大切なパートナーです。

私自身も、賃貸経営を一人ですべて行う必要はないと思っています。

入居者募集や日常管理など、専門会社の力を借りたほうが効率的な業務はたくさんあります。

ただし、最終的に物件を所有し、ローンを返済するのはオーナーです。

ですから、「プロが勧めているから大丈夫」という理由だけで購入するのはおすすめしません。

販売会社には販売会社の利益があります。

金融機関には金融機関の審査基準があります。

管理会社にも管理会社の事業があります。

それぞれの専門家から情報をもらいながらも、最後は自分で数字を確認する必要があります。

例えば販売会社から「10年後にも高く売れます」と説明されたら、それで終わりにせず、「なぜそう予測できるのですか?」と確認します。

現在の中古価格はいくらなのか。

築10年、築20年になった同種物件はいくらで売られているのか。

土地として売ることはできるのか。

次の購入者も融資を受けやすいのか。

こうした確認をしていくと、営業担当者の説明を数字で考えられるようになります。

特に購入前に考えたいのが出口戦略です。

不動産投資では、毎月黒字でも最後の売却で大きく損をすれば、投資全体では利益が残らないことがあります。

反対に、毎月の手残りがそれほど大きくなくても、家賃収入からローン元本を減らし、適切な価格で売却できれば、最終的に利益が残るケースもあります。

不動産投資の利益は「毎月の家賃」だけでは決まりません。

保有期間中のキャッシュフロー、ローン元本の減少、購入・売却時の費用、税金、最終的な売却価格まで含めて考える必要があります。

購入前に、一度こんな質問を自分にしてみてください。

「10年後、この物件を誰が買うだろう?」

自宅として買う人でしょうか。

次の不動産投資家でしょうか。

建物を解体して土地として利用する人でしょうか。

土地として価値があるのか、収益物件として売れるのか、金融機関が次の買主にも融資しやすい物件なのか。

ここまで考えて購入すると、物件の見方はかなり変わります。

買う前から売るときのことを考える。

不動産投資を購入、運営、売却の流れで捉え、売却価格からローン残債や税金を差し引いて利益を考える出口戦略の図

少し変に感じるかもしれませんが、不動産投資ではかなり重要な考え方です。

余裕資金がなくリスクに弱い

不動産投資は、毎月ギリギリの資金状態で行うと一気に難しくなります。

例えば給湯器が突然壊れたとします。

入居者はお湯が使えないので、当然早く直してほしいですよね。

このとき、「今月お金がないから来月まで待ってください」と簡単には言えません。

空室でも同じです。

家賃収入が減っても、ローン返済まで一緒に止まってくれるわけではありません。

余裕資金がないと、こうした普通の賃貸経営上の出来事が大きな危機になります。

そして、資金に余裕がない状態は、経営判断にも影響します。

本来なら家賃を3,000円下げれば早く入居者が決まりそうなのに、「今月の返済が苦しいから家賃を下げられない」と考えてしまう。

その結果、空室がさらに長引き、3,000円どころではない家賃損失が発生することがあります。

売却でも同じです。

資金に余裕があれば、適正価格で買ってくれる人を数か月待つという判断ができます。

しかし、来月の支払いに困っている状態なら、安くてもすぐ買ってくれる相手へ売らざるを得ないかもしれません。

だから私は、物件の収益性だけではなく、オーナー自身の資金余力も不動産経営の一部だと考えています。

YAMATO:不動産投資は「買えるかどうか」より「悪い時期でも持ち続けられるか」を考えたほうがいいです。手元資金があるだけで、選べる対策がかなり増えますよ。

では、いくら現金を残しておけば安全なのか。

ここは一律には決められません。

築浅区分マンションと築30年の一棟アパートでは、想定すべき修繕規模が違います。

同じ一棟アパートでも、4戸と20戸では必要資金が違います。

借入額、毎月の返済額、家族の生活費によっても変わります。

余裕資金を考えるときは、2種類に分けると分かりやすいです。

一つは、空室や修繕など物件で必要になる「賃貸経営用の予備資金」。

もう一つは、病気や失業など家庭側の問題に備える「生活防衛資金」です。

私は、この2つを同じお金として考えないほうがいいと思っています。

不動産投資で生活防衛資金と賃貸経営用の予備資金を分けて確保する重要性を示した図

生活防衛資金まで頭金として投入してしまうと、物件側では問題がなくても、家庭で予期しない出費が起きたときに不動産を売却しなければならなくなるかもしれません。

「最低○○万円あれば安全」という数字を探すより、自分の物件で起こり得る支出と家庭の支出を分けて計算してみてください。

不動産投資で成功しやすい人の特徴

ここまで読むと、「やっぱり不動産投資は難しそうだな」と感じたかもしれません。

そうですよね。

ここまでリスクの話ばかりすると、普通の人には無理なのではと思うかもしれません。

確かに、誰でも簡単に成功できる投資ではありません。

でも、失敗する人の特徴を逆にすると、成功しやすい人がやっていることもかなり見えてきます。

特別な才能がある人だけが成功するわけではありません。

私が実際に大家をしていて大切だと感じるのは、派手な予想を当てることより、地味な確認を続けることです。

収支と出口まで自分で判断できる

私が不動産投資に向いていると思うのは、派手な利益を狙う人よりも、地味な数字を確認できる人です。

物件価格。

家賃。

空室率。

管理費。

固定資産税。

修繕費。

金利。

ローン残高。

売却価格。

これらを一つずつ確認して、「この条件なら私は買う」「この条件なら見送る」と判断できる人です。

成功しやすい人は、必ず未来を正確に予測できるわけではありません。

未来が分からないからこそ、予測が外れても困らない条件を作ります。

例えば家賃を現在相場より少し低めに見積もる。

空室を一定割合で入れる。

年間修繕費を見込む。

金利が上昇した場合も計算する。

売却価格を楽観的に設定し過ぎない。

こうした保守的な計算をしたうえで黒字になる物件なら、想定外の出来事にも対応しやすくなります。

失敗しやすい考え方 成功しやすい考え方
満室家賃だけで判断する 空室を入れて計算する
現在家賃が永久に続くと考える 家賃下落も想定する
修繕は起きてから考える 購入時から積み立てる
融資可能額まで借りる 返済余力を残す
販売会社だけに聞く 複数の情報を比較する
買うことだけ考える 売却まで考える

もちろん、すべてを自分一人で理解する必要はありません。

これはかなり大事です。

税金は税理士。

法律問題は弁護士。

契約や不動産取引は宅建士。

建物は建築士や専門業者。

融資は金融機関。

それぞれの専門家を頼ればいいんです。

自分で全部できなければ大家になれないわけではありません。

ただし、専門家から集めた情報を使って最終判断するのはオーナー自身です。

私自身も2棟のアパートを運営していますが、「全部分かってから始める」というのは現実的ではないと感じています。

不動産をやっていると、購入前には考えていなかったことが次々出てきます。

大切なのは、分からないことが出てきたときに、そのままにせず調べることです。

そして、営業担当者の説明と自分で調べた数字が違ったときに、「なぜ違うのですか?」と質問できること。

「プロが言っているから自分が間違っているのだろう」で終わらせないことです。

もちろん、最終的にこちらの理解不足だったということもあります。

それでも質問したことで一つ知識が増えます。

この積み重ねがかなり大事かなと思います。

成功しやすい人は「良い物件を当てる人」だけではありません。

悪い条件を想定できる人。

無理な物件を見送れる人。

購入後も数字を確認し続けられる人。

そして、自分の判断が間違っていれば修正できる人。

こうした人のほうが、長期的には安定した賃貸経営をしやすいと私は考えています。

自分が不動産投資に向いているか気になる場合は、不動産投資に向いている人・向いていない人|始める前の自己診断も参考にしてみてください。

不動産投資はやめとけに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 不動産投資は本当にやめたほうがいいですか?

A. 全員がやめたほうがいいとは思いません。

不動産投資は、正しい条件で購入して安定した賃貸経営ができれば、資産形成の選択肢になります。

ただし、生活資金まで使わなければ購入できない、収支計算ができない、販売会社から渡されたシミュレーション以外を確認していないという状態なら、私は一度見送ったほうがいいと思います。

大切なのは「不動産投資をやるか、やらないか」を最初に決めることではありません。

まず物件価格と家賃相場を比較し、空室、修繕、金利上昇などを想定しても経営を続けられるか確認することです。

その数字を見て「この条件では買わない」と判断するのも立派な投資判断ですよ。

Q2. 不動産投資は会社員には危険ですか?

A. 会社員だから危険ということはありません。

むしろ給与収入があることは資金計画上の強みになる場合があります。

管理会社を利用すれば、日常的な賃貸管理を委託しながら本業を続けることもできます。

一方で、安定した勤務先や年収を持つ会社員は金融機関から融資を受けやすい場合があり、それだけ高額な投資物件を提案される可能性もあります。

「融資が出る=買うべき物件」ではありません。

会社員だからこそ、給与収入に頼らなくても物件単体で経営できる収支なのかを確認してほしいと思います。

Q3. 新築ワンルーム投資は絶対におすすめしないのですか?

A. 新築ワンルームという物件種別だけで、一律に良い悪いを判断することはできません。

立地、購入価格、家賃、管理状態、借入条件、将来の売却価格によって結果は変わります。

ただし、「節税になるから」「年金代わりになるから」という理由だけで購入することはおすすめしません。

節税効果がなくても賃貸事業として成立しているのか。

周辺の中古物件と比較して購入価格が高すぎないか。

毎月持ち出しが続く場合、そのお金を何年負担することになるのか。

ここまで数字にして判断してください。

Q4. 2chやなんJの「不動産投資はやめとけ」は信用できますか?

A. そのまま結論として受け取るのはおすすめしませんが、失敗事例を知る材料として役立つことはあります。

匿名掲示板は刺激的な失敗談ほど目立ちやすいため、「不動産投資をすると全員が破産する」というような印象になりがちです。

見るべきなのは感情的な評価ではなく、失敗した条件です。

どんな物件をいくらで買ったのか。

どのくらい借りたのか。

なぜ空室が続いたのか。

なぜ売却できなかったのか。

ここを分解すると、自分が同じ失敗を避けるための情報として使えます。

Q5. 初心者が最初に確認するべきことは何ですか?

A. 私なら、物件検索より先に自分の目的と資金状況を整理します。

なぜ不動産投資をしたいのか。

毎月いくらの収入を目指しているのか。

何年くらい保有するつもりなのか。

自己資金はいくら使えるのか。

物件とは別に生活防衛資金はいくら残すのか。

ここが決まっていないと、営業担当者から提示された物件に自分を合わせる形になってしまいます。

そのうえで複数の物件や会社を比較し、満室時ではなく空室や修繕が発生した場合まで収支を計算してください。

分からない契約や税務上の扱いがあれば、そのまま契約せず専門家へ確認することが大切です。

不動産投資は本当に無理ゲーなのか

結論として、私は不動産投資そのものが「無理ゲー」だとは思っていません。

もし本当に誰がやっても必ず失敗する仕組みなら、そもそも賃貸住宅という事業自体が成り立ちません。

実際には長期間賃貸経営を続けている個人オーナーも法人も存在します。

ただし、知識を持たずに参入すると一気に難易度が上がる投資だとは感じています。

物件価格が適正なのか分からない。

借入条件を比較していない。

節税だけを目的にしている。

家賃保証を過信している。

修繕費を用意していない。

空室を想定していない。

出口を考えていない。

それでも「有名な会社だから大丈夫」「銀行がお金を貸してくれるから大丈夫」と数千万円単位の契約をする。

この状態なら、ネットで言われている「不動産投資はやめとけ」という忠告は、かなり正しいと思います。

一方で、購入前に価格と家賃を比較し、悪い条件でも耐えられる収支を作り、余裕資金を持ち、購入後も管理を続け、最後の売却まで考えられるのであれば話は変わります。

不動産投資の強みは、融資を利用しながら長期間家賃を得て、借入元本を減らしながら資産を形成できる可能性があることです。

しかし、その強みである融資は、使い方を間違えると最大のリスクにもなります。

例えば購入価格5,000万円、借入5,000万円の物件があるとします。

物件価格が下落して4,000万円でしか売れない時点で、ローン残高が4,500万円残っていれば、単純には売却代金だけでローンを返しきれません。

一方、長期間家賃収入を得ながら元本返済を進め、ローン残高が3,000万円まで減った時点で4,000万円で売却できれば、状況は大きく違います。

もちろん実際には売却費用や税金などを考える必要がありますが、ここから分かるのは「家賃だけが不動産投資の成果ではない」ということです。

見る時点 確認するもの
購入前 価格、家賃、融資、修繕履歴、周辺相場
運営中 入居率、家賃、経費、修繕、キャッシュフロー
毎年 ローン残高、税引き後収支、資金余力
出口 想定売却価格、残債、売却費用、税金

また、「不動産投資はインデックス投資より面倒だから割に合わない」という意見もあります。

これもある意味では正しいです。

低コストの投資信託なら、毎月自動積立を設定して長期間保有するという方法があります。

建物が壊れることもありませんし、入居者から夜に設備故障の連絡が来ることもありません。

不動産はそれと比べれば、圧倒的に手間があります。

売却にも時間がかかります。

高額な借入をすることもあります。

では、インデックス投資のほうが絶対に正解なのでしょうか。

私はそこも目的次第だと思っています。

不動産には、金融機関から融資を受けて自己資金以上の資産を保有し、入居者から得た家賃で借入を返済していくという独特の仕組みがあります。

一方、インデックス投資には少額から始めやすく、管理の手間が少なく、分散しやすいという強みがあります。

どちらが優れているかではなく、自分がどのリスクを取り、どの手間なら受け入れられるかの違いです。

あなたが休日まで不動産のことを考えたくないのであれば、無理に大家になる必要はありません。

反対に、物件を比較したり、賃貸経営を改善したりすること自体に面白さを感じる人なら、不動産投資との相性は良いかもしれません。

「やめとけ」と言われたときに確認したいこと

誰がやっても失敗するからやめるのか。

その物件の価格が高いからやめるのか。

借入が大きすぎるからやめるのか。

自分の資金余力が足りないからやめるのか。

この違いを明確にすると、感情ではなく条件で判断できるようになります。

不動産投資は、買うことよりも持ち続けることのほうが大切です。

私は物件を見るとき、「この物件なら儲かりそう」と考えるだけではなく、「空室が出ても、修繕が来ても、少し金利が上がっても、自分は持ち続けられるか」と考えます。

そして、もう一つ必ず考えます。

「思ったよりうまくいかなかったとき、自分はどうするか」です。

家賃を下げるのか。

設備を改善するのか。

管理会社を変えるのか。

繰上返済するのか。

売却するのか。

最初から選択肢を持っておくだけで、何か起きたときの判断はかなり変わります。

派手さはありません。

でも、賃貸経営はこのくらい地味でいいと私は思っています。

YAMATO:不動産投資で一番怖いのは、知らないことではなく、分からないまま数千万円の契約をしてしまうことです。分からなければ調べる、比較する、専門家に聞く。それだけでも避けられる失敗はかなりありますよ。

あなたが今、「不動産投資を始めたいけど怖い」と感じているのであれば、その不安を無理に消す必要はありません。

私はむしろ、その慎重さを利用してほしいと思います。

一つずつ数字を確認してみてください。

物件価格はいくらか。

周辺の家賃はいくらか。

1室空いたらどうなるか。

家賃が下がったらどうなるか。

大きな修繕が来ても払えるか。

金利が上がっても返済できるか。

10年後にいくらローンが残っているか。

そして、その物件はいくらくらいなら売れそうか。

ここまで見ても納得できるなら、その物件は初めて「検討候補」になります。

逆に、調べた結果「今は買わない」という結論になってもまったく問題ありません。

買わないことも立派な投資判断です。

収支確認、最悪ケースのストレステスト、予備資金の確保から不動産投資を買うか見送るか判断するフローチャート

私は、物件をたくさん買った人が必ず優れた投資家だとは思っていません。

条件の悪い物件をきちんと見送れる人も、十分に優れた投資家です。

不動産会社から「今日決めなければ他の人に買われます」と言われても、自分が理解できていなければ買わない。

少し利回りが高くても、修繕リスクが読めなければ見送る。

融資が出ても、返済余力がなければ借りない。

この判断ができることが、長期的には大きな差になるかなと思います。

そして、条件を比較した結果、「この価格、この融資、この収支なら悪い状況になっても持ち続けられる」と自分の言葉で説明できる物件が見つかったときに、初めて購入を検討すればいいんです。

「不動産投資はやめとけ」という言葉は、すべての人に対する禁止命令ではありません。

私なら、「分からないまま買うのはやめとけ」「無理な条件で買うのはやめとけ」という警告として受け取ります。

その警告を正しく理解して使えば、むしろあなたを失敗から守ってくれる言葉になると思いますよ。

記事内の費用、税率、金利、修繕費、家賃、融資条件、収支例などは、考え方を理解するための一般的な目安や例です。

実際の条件は、物件、地域、築年数、所得、金融機関、融資商品、契約内容、制度改正などによって異なります。

正確な情報は、国税庁、国土交通省、住宅金融支援機構、自治体、金融機関などの公式サイトや最新の契約書類をご確認ください。

不動産購入、融資、税務、法律、契約解除、建物状態など、あなたの財産に大きく影響する判断については、宅地建物取引士、税理士、弁護士、金融機関、建築士など適切な専門家へご相談ください。

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